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[Blender 2.8] 頂点のグループ分けと”重み”の管理 [頂点グループ]

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[Blender 2.8] 頂点のグループ分けと”重み”の管理を行える、色々使えて便利な『頂点グループ』機能、使い方や用途についてのご紹介

今回の記事は、Blenderで『メッシュオブジェクト』が持つプロパティの1つである、『頂点グループ』についてです。

『頂点グループ』とは、『メッシュオブジェクト』に設定できるプロパティの1つで、『アーマチュア』を始め『モディファイアー』などでメッシュを変形したり、編集を加えたりする時に、頂点毎に与える影響を『ウェイト』という値として情報を管理するのに使ったりします。

使わなくてもモデリングが出来ないという訳ではないですが、使うと「格段にモデリングの効率も質も上昇する」と思いますし、特に「3DCGのオリジナルキャラクターモデルを作成して、動かしたい」という方には必須の知識かと思われますので、是非とも覚えて欲しい機能の1つです。

※今回の記事、操作に関する項目が大半を占めるものとなり、どうしても冗長な内容となってしまいました。

今回の概要をまとめると、以下の3つとなっております。

  • 『頂点グループ』に関する知識
  • 『頂点グループ』に関する操作
  • 『頂点グループ』の具体的な活用例

なので、「とりあえず知識だけ知りたい」、「どんなことに使える機能なのか知りたい」という方は、最初と最後だけご覧ください。

※2020年1月29日 加筆修正を行いました。
※2020年2月23日 加筆修正を行いました。
※2020年2月25日 加筆修正を行いました。
※2020年2月26日 加筆修正を行いました。
※2020年4月13日 加筆修正を行いました。
※2020年7月19日 加筆修正を行いました。
※2020年8月21日 追記を行いました。
※2020年12月30日 加筆修正を行いました。

目次

『頂点グループ』とは?

冒頭で説明した通り、『メッシュオブジェクト』が持つプロパティの1つで、『メッシュオブジェクト』や『ラティス』の一部の頂点にタグを付けるために使用されます。

『アーマチュア』が、恐らく最も使用頻度の高い用途だと思うのですが、それ以外にも主な用途として、以下のようなものが考えられます。

こういった、様々な物や機能に対し、頂点の受ける影響を管理するための機能が『頂点グループ』な訳です。

※この、今上げた主な用途の活用例は、後の項で詳しく書かせていただきます。

『アーマチュア』を例にしてご説明しますと、キャラクターの手や足、胴体、頭部など、部位毎に頂点を管理する…、つまり、各『ボーン』を動かしたり回転させたり、と言った影響を受け取るために、 『ボーン』毎に、その『ボーン』専属の”グループ”として一部の頂点をまとめて管理する、と考えるのが分かりやすいのではないかと思います。

なので、『アーマチュア』にペアレントされている『メッシュオブジェクト』には、「『ボーン』1つに『頂点グループ』1つ」と言った感じで『ボーン』の数だけそれに対応する『頂点グループ』が設定でき、『ボーン』が動くとそれに対応する『頂点グループ』に含まれる頂点がセットで動く、といった事をしている訳です。

『ボーン』(青い物体)が多すぎるのと、白いメッシュに重ねて、なので真っ白になってしまってますが、『ボーン』とその『ボーン』の名前を表示するように設定して表示したものです。

『メッシュオブジェクト』の[オブジェクトデータ]>[頂点グループ]を覗くと、『ボーン』の数だけ『頂点グループ』がズラっと一覧として並んでいます。

(大量に『ボーン』作ってしまったのでリストにある『頂点グループ』の数がえげつないことに…)

『頂点グループ』での『ウェイト』とは?

『頂点グループ』に所属する各頂点には『ウェイト』値を割り当てる事ができます。

というより、『頂点グループ』に所属させる頂点には、もれなくこの『ウェイト』を割り当てますので、『頂点グループ』に所属する頂点が必ず所持する『頂点グループ』での専用プロパティみたいなものです。

この『ウェイト』を使って、『ボーン』を始め、様々なものから受ける影響力の強さを決定します。

“0.0”~”1.0″の値を割り当てることが出来、”0.0″は「全く影響を受けない」、”1.0″だと「完璧に影響を受ける」となります。

この『ウェイト』の割り当ては、『編集モード』でもできますが、恐らく、キャラクターのモデル等であれば、『ウェイトペイントモード』を使うのが一般的だと思われます。

『編集モード』で『ウェイト』の割り当てを行う際は、画像の赤枠で囲った部分を使うのですが、この部分は[頂点選択]を選んでいなければ出現しません。

『ウェイトペイントモード』の時(『ウェイトペイント』すれば不要だとは思いますが、)も同様に、この赤枠部分は[頂点選択]を選んでいなければ出現しません。

また、『ウェイト』”0.0″が割り当てられている状態と『頂点グループ』から削除した状態は、意味合いが異なります。

『ウェイト』”0.0″は、あくまで『頂点グループ』には所属している状態です。

なので『頂点グループ』に所属していない『頂点』とは明確な扱いの違いがあり、影響は全く受けないながら、『頂点グループ』によって管理下には置かれている、という事をよく覚えておいてください。

ここを間違えていると、『頂点ウェイト編集モディファイアー』などで『ウェイト』値をまとめて編集するような場合、「思ったように編集できない」というような状況を生み出してしまいかねませんので、ご注意ください。

具体例は下記記事の「Memo: 『頂点グループ』に「無い」のと「”0.0″の『ウェイト』」の違い」をご覧ください。

『ウェイトペイントモード』とは?

まるで『メッシュ』に”ペイント”するように『ウェイト』を割り当てることを出来るのが、この『ウェイトペイントモード』です。

その最大の特徴としては、『ウェイトペイントモード』では、『メッシュオブジェクト』が、割り当てられた『ウェイト』値を表す色で表示されるという点です。

“1.0”であれば赤、”0.0″であれば青で表示され、その中間の値は、それぞれに近い方の色で表されます。

『ウェイトペイントモード』での『ウェイト』のグラデーション

本当にペイントするように『メッシュオブジェクト』を[マウス左ドラッグ]でなぞると、なぞった部分の『頂点』の『ウェイト』値を割り当てることが出来ます。

また、予め選択した面に含まれる頂点だけを塗るように設定できる[ペイントマスク]や、その頂点バージョンの[頂点で選択]という機能もあります。塗りはみ出しが怖い方はこの機能をお試しください。

ちなみに、ペイントする『ウェイト』値や、『半径』、『強さ』等の設定は[右クリック]で表示されるメニューや、[サイドバー]>[ツール]などから調整出来ます。

※この『ウェイトペイントモード』に関しましては、後日別記事で書く予定です。旧バージョン(2.79)でよろしければ、『スキニング』についての記事で、『ウェイトペイント』について詳しく書かせていただいておりますので、よろしければそちらをご覧ください。

Memo: 『編集モード』でも出来る『ウェイト』グラデーション表示

実は『編集モード』でも[オーバーレイを表示]の横のプルダウンメニューの中の[頂点グループウェイト]にチェックを入れて有効にすれば、このメッシュのシェーディングで『ウェイト』によるグラデーションの表示を設定することが出来たりします。

『頂点グループ』に関する操作

基本的な操作

[追加]

リスト右側にある、[+]ボタンで『頂点グループ』を新しく作成 できます。

[削除]

リスト右側にある、[-]ボタンで選択している『頂点グループ』を削除します。

[名前変更]

名前を変更したい『頂点グループ』を[マウス左ボタン]ダブルクリックで、名前が変更できるようになります。

[ロック/ロック解除]

『頂点グループ』の名前の右側に付いている南京錠のアイコンは、その『頂点グループ』での『ウェイト』の[割り当て]/[削除]編集の可否を表します。

開いている状態であれば編集可能、閉まっている状態であれば編集不可の状態を表し、アイコンをクリックすることで、「ロック/ロック解除」を切り替えることができます。

[リスト上での順序移動]

同じくリスト右側の[▲][▼]ボタンで、選択している『頂点グループ』をリスト上で上下移動させます。

[フィルターオプション]

リストの下にある小さい[▶]ボタンを押すと、その下に『頂点グループ』名を検索できる入力フィールドと、ソート(並べ替え)のオプションボタンが表示されます。

[リストから特定の『頂点グループ』を検索]

入力フィールドにリストアイテムの名前の一部を入力して、名前の一部でアイテムを検索します。

また、 入力フィールドのすぐ右に配置されている虫メガネボタンで、[+の虫眼鏡]だと入力した名前に一致するアイテムのみを表示する、[-の虫眼鏡]だと入力した名前と一致するアイテムを検索から除外する、というフィルター設定が出来ます。

[リストにある『頂点グループ』をソート(並べ替え)]

入力フォームのその右側にあるボタンはそれぞれ、[AZ]は名前順、[↓]は順番反転、という[頂点グループ]にあるリストのソートができます。

[割り当て]

選択中の『頂点』を所属させたい『頂点グループ』の名前を選択し、[ウェイト]の値を”0.0″~”1.0″の間の数値で設定して置き、[割り当て]ボタンを押します。

複数の『頂点』を選択していた場合も、選択中の全ての『頂点』に等しく[ウェイト]の値が割り当てられます。

※この項目を使う以外に、『ウェイトペイント』を使って『ウェイト』を割り当てる方法もあります。

[削除]

選択中の『頂点』を選択中の『頂点グループ』から削除します。[ウェイト]値は、”0.0″と同じ扱い、(つまり影響を受けない)となります。

[選択]

[選択]ボタンを押すと、選択中の『頂点グループ』で『ウェイト』が割り当てられている『頂点』が全て選択された状態になります。(“0.0″でも、割り当てられている扱いになります)

※この項目を使う前に、それ以外にも選択状態にある『頂点』が他にあった場合に、それに加える形で『頂点グループ』の『頂点』を選択状態に変えるので、『頂点グループ』でないものも混在した状態になってしまうという点にご注意ください。

[選択解除]

[選択解除]ボタンを押すと、選択中の『頂点グループ』で『ウェイト』が割り当てられている『頂点』が全て選択解除された状態になります。 (“0.0″でも、割り当てられている扱いになります)

※こちらも[選択]同様、選択解除の変化が及ぶのは、あくまで『頂点グループ』に所属する『頂点』だけであるという点にご注意ください。

Memo:各『頂点』で設定されている『ウェイト』の値を調べる方法

各『頂点』に設定されている『ウェイト』を調べるには、[編集モード]で、調べたい『頂点』を選択し、[サイドバー]([N]で表示/非表示切り替え)の、[アイテム]>[頂点ウェイト]で、各『頂点グループ』に、どれだけの『ウェイト』で設定されているかを調べることが出来ます。

または、[ウェイトペイントモード]でも調べることが出来ますが、[頂点で選択]を有効にしている必要があります。

特殊な操作 –[スペシャルメニュー]

[+][-]下の[∨]ボタンを押すと、スペシャルメニューが表示されます。

[名前でソート]

名前順でソート(並べ替え)されます。

[ボーン階層でソート]

『ボーン』のつなぎ方(親子関係)の構造でソートされます。

[頂点グループをコピー]

選択中の『頂点グループ』のコピーの『頂点グループ』を作成します。作成されたコピーの『頂点グループ』には名前の最後に”_copy”が付きます。

同じオブジェクトデータを使用する全ての『リンク』しているオブジェクトへ、[頂点グループ]リストにある全ての情報をコピーします。

オブジェクトデータを『リンク』していても、『頂点グループ』は自動で『リンク』されません。

『リンク』元オブジェクト (『ウェイトペイントモード』表示)
[リンクしている物に頂点グループをコピー]操作前の、
『リンク』先オブジェクト (『ウェイトペイントモード』表示)

なので、手動で『リンク』の操作をする必要があります。

『リンク』元オブジェクトで、
[リンクしている物に頂点グループをコピー]操作 (『ウェイトペイントモード』表示)
[リンクしている物に頂点グループをコピー]操作後の、
『リンク』先オブジェクト (『ウェイトペイントモード』表示)

ここで言う「『リンク』しているオブジェクト」とは、[リンク複製]([Alt]+[D])したオブジェクトか、または、別オブジェクトとして作成した後に[リンク作成]([Ctrl]+[L])のメニューから[オブジェクトデータ]を選んでオブジェクトデータを『リンク』したオブジェクトの事です。

※なので、別ファイルからデータを持ってくる際の『リンク』とは、また別物です。

ちなみに、『リンク複製』についての関連記事です。↓

『リンク』しているオブジェクトは、編集したデータが同じオブジェクトデータを共有するオブジェクトへそのまま反映されるという特徴があります。

また、『リンク』しているオブジェクトで、オリジナル(リンク元)ではないオブジェクトは、[プロパティエディター]>[オブジェクトデータ]の[メッシュデータ]の名前が、『メッシュオブジェクト』の名前とは異なり、更に[メッシュデータ]右側に(今回は[4]という数字)に「同じ[メッシュデータ]にリンクしているユーザー数」の表示が出現するという点にも違いが見受けられます。

ちなみに、この今回は[4]という表示がされている部分を押せば、『シングルユーザー化』(『リンク』を解除)する事ができ、独自に編集を加えることが可能になります。

[頂点グループを選択した物にコピー]

選択中のオブジェクトの[頂点グループ]を、アクティブオブジェクトの[頂点グループ]に置き換えます。

※『頂点インデックス』が一致するオブジェクト同士でなければ、エラーします。大抵、同形状のメッシュ且つ、編集していないオブジェクトにしかコピーできません。

[頂点グループをミラー反転]

『頂点グループ』のミラー反転を行います。『ウェイト』や名前を反転し、選択中の頂点のみ編集します。

(X軸対称とした時)両側が選択されていれば反転し、そうでなければ非選択部分からコピーします。

らしいのですが…「名前を反転」というのが確認できませんでした(>_<;)

[頂点グループをミラー反転(トポロジー)]

『頂点グループ』のトポロジーの情報も加味したミラー反転を行います。『ウェイト』や名前を反転し、選択中の頂点のみ編集します。

(X軸対称とした時)両側が選択されていれば反転し、そうでなければ非選択部分からコピーします。

こちらも例の如く「名前を反転」というのが確認できませんでしたm(_ _;)m

Memo:『Xミラー』と『トポロジーによるミラー反転』

上記の2つの項目、[頂点グループをミラー反転]と[頂点グループをミラー反転(トポロジー)]の項目についての補足として、『編集モード』時に[サイドバー]>[ツール]>[オプション]に表示される、[Xミラー]と[トポロジーによるミラー反転]という項目についてご説明いたします。

  • 『Xミラー』 …1回の動作でメッシュの反対側の対称頂点を編集できます。要素(頂点、辺、または面)を変更するときに、(ローカル空間的に)正確なXミラー化された対応物がある場合、それに応じて、ローカルのX軸に沿った対称性によって変更されます。つまり、非常に限定的で簡易な『ミラーモディファイアー』のような動作をします。
  • 『トポロジーによるミラー反転』 …『Xミラー』を有効にした上で有効に出来る項目です。『Xミラー』は”位置”で対称性を判断しますが、こちらではそれに加え、全体的なトポロジーから他の頂点との関係も加味した判断での、ミラーが可能になります。つまり、頂点の位置的には非対称であっても、構造からの判断によっては対称として判断され、ミラーされる可能性が高まるという事です。ただし、こちらでは単純すぎる形状(例えば立方体やUV球など)ではミラーされにくくなってしまうという副作用も持っています。
[Xミラー]と[トポロジーによるミラー反転]のミラー機能比較

『ミラー』に関連しまして、似たような機能を持つ『ミラーモディファイアー』についての記事を参考までにご紹介します。

[全てのグループから除外]

選択中の頂点の情報をリスト上にある『頂点グループ』から削除します。(『ウェイト』を[削除]したのと同じ状態)

※この項目は、[編集モード]か[ウェイトペイントモード]の、[頂点選択]の状態でのみ操作可能です。

例えば以下の3つの『頂点グループ』があったとします。

大体下半分の頂点を選択し、[全てのグループから削除]を選択します。

すると、↓のように、リストにある全『頂点グループ』の下半分の頂点が削除されます。

[アクティブグループをクリア]

リスト上で選択中の『頂点グループ』の頂点の情報を全て削除します。(全ての頂点を選択した状態で『ウェイト』を[削除]したのと同じ)

※この項目は、[編集モード]か[ウェイトペイントモード]の、[頂点選択]の状態でのみ操作可能です。

[全アンロックグループを削除]

リスト上のロックされていない全ての『頂点グループ』を削除します。

[全頂点グループを削除]

リスト上の全ての『頂点グループ』を削除します。

[すべてロック]

リスト上の全ての『頂点グループ』をロックします。

[すべてアンロック]

リスト上の全ての『頂点グループ』のロックを解除します。

[すべてロック反転]

リスト上の全ての『頂点グループ』のロック状態を反転します。(ロック↔ロック解除)

『頂点グループ』の具体的な使用例

モデリングする時に使う機能の中で、 『頂点グループ』を併用する主な用途は、以下のようなものが考えられます。

『アーマチュア』が、恐らく最も使用頻度の高い用途だと思います。

また、これはあくまで用途の一例です。私が知っているものと、調べられたものだけを上げています。

『アーマチュア』と『頂点グループ』

所謂『スキニング』です。

『スキニング』とは、作成した『アーマチュア』を動かした時にちゃんと『メッシュオブジェクト』がそれに連動して動くように設定する作業の事です。

もっと詳しく言うと、『アーマチュア』と『メッシュオブジェクト』をペアレント(親子付け)して、各『ボーン』と対応するメッシュ部分の『頂点グループ』を作り、『ウェイトペイント』等を駆使して各頂点の『ウェイト』値を割り当てする事ですね。

とは言っても、文字だけでは少々伝わりづらいと思いますので、『スキニング』について別の記事にて書かせていただいていますので、そちらをご覧ください。(※Blenderが旧バージョン(2.79)仕様ですので、現在のバージョン(2.8)とはレイアウトやUIなどに違いがありますが、作業内容は変わらないと思います。)

『シェイプキー』と『頂点グループ』

『シェイプキー』による変形の影響力と、影響を受ける部分の頂点を設定するのに『頂点グループ』を使うことが出来ます。

『シェイプキー』は、オブジェクトをアニメーション用の新しい形状へ変形するために使用される機能です。他に、”モーフターゲット”または”ブレンドシェイプ”と呼ばれる場合もあります。詳しくは↓の記事をご覧ください。

例えば、立方体の『メッシュオブジェクト』を用意したとして、それを細分化した状態の形状を”ベース”という名前の『シェイプキー』として登録します。その後、隅と面の中央部分をオブジェクト中心から放射状移動させて変形させた状態の形状を”キー1″という『シェイプキー』として登録します。

『シェイプキー』 “ベース”
『シェイプキー』 “キー1”

そうした状態で、”キー1″の方で[値]の数値を動かすと、[基準の対象]となっている”ベース”の形状と”キー1″の形状を行ったり来たりします。

これを元に、『頂点グループ』を使ってその形状変化を制御します。

『ウェイト』値を一番上部分が”1.0″、一番下部分が”0.0″になるように割り当てました。

[頂点グループ]に先ほど作った『頂点グループ』を設定した状態で、先ほどと同じように[値]の数値を動かすと、『ウェイト』の低い下部分の変形度合いが少ない or 変形が見られないのがお分かりになるかと思います。

『モディファイアー』と『頂点グループ』

『モディファイアー』と『頂点グループ』では、大きく分けて2つの関係性があります。

『頂点グループ』を編集するための『モディファイアー』

『頂点グループ』の『ウェイト』値を様々な方法で編集するための『モディファイアー』をご紹介します。

  • 『頂点ウェイト編集モディファイアー』 …『頂点グループ』を『モディファイアー』で編集します。『頂点グループ』は基本的には1つ使用します。
  • 『頂点ウェイト合成モディファイアー』 …『頂点グループ』と『頂点グループ』を使って編集(合成)します。『頂点グループ』は基本的には2つ使用します。
  • 『頂点ウェイト近傍モディファイアー』 …『頂点グループ』を他『オブジェクト』との”距離”で編集します。『頂点グループ』は基本的には1つ、『オブジェクト』も基本的には1つ使用します。
memo: 「頂点ウェイト編集系」モディファイアーの比較とオススメの使い分け

同じような項目があったり、そもそも同じ「『頂点グループ』を扱うためのモディファイアー」という、似通った部分が多くみられる3つのモディファイアーですが、違いを知る事で上手く使い分けて活用することが出来るかと思いますので、オススメの使い分けと合わせて違いについてご紹介させていただきます。

分かりやすく大きな違いは1つ、「使用する『頂点グループ』、及び『オブジェクト』の数」です。

基本的には、以下のようになっております。

  • 『頂点ウェイト編集モディファイアー』では、1つの『頂点グループ』
  • 『頂点ウェイト合成モディファイアー』では、2つの『頂点グループ
  • 『頂点ウェイト近傍モディファイアー』では、1つの『頂点グループ』と1つの『オブジェクト』

例外として、『頂点グループ』の使用数がもう1つ増える場合もあります。

それぞれのモディファイアーの[影響/マスクのオプション]>[頂点グループマスク]に『頂点グループ』をもう1つ設定するのがそれです。

この[頂点グループマスク]について、詳しくは『頂点ウェイト編集モディファイアー』についての記事の[頂点グループマスク]の項目をご覧ください。

ついでにもう一つ例外として挙げるとすると、『頂点ウェイト合成モディファイアー』では1つの『頂点グループ』だけ使って、ウェイト値の編集をすることも可能です…が、

1つの『頂点グループ』を『頂点ウェイト合成モディファイアー』で編集する場合、出来る事が『頂点ウェイト編集モディファイアー』と比べると少ないです。なので、あえて『頂点ウェイト合成モディファイアー』を使うメリットがちょっと思い当たらないので、それだったら最初から『頂点ウェイト編集モディファイアー』を使って編集する方がオススメです。

なのでそれぞれの違い及び使い分けとしましては、↓のようになるかと思います。

モディファイアー名概要使用する『頂点グループ』、『オブジェクト』の数
[頂点ウェイト編集]『頂点グループ』を『モディファイアー』で編集する。
『頂点グループ』1つの細かい調整に使用するのがオススメ。
基本的には『頂点グループ』1つ。
マスクに使用する場合も含めれば『頂点グループ』2つ。
[頂点ウェイト合成] 『頂点グループ』に、
プラスで『頂点グループ』という素材を加え、
『モディファイアー』でそれらの情報を使って編集(合成)する。
『頂点グループ』と『頂点グループ』の合成にオススメ。
基本的には『頂点グループ』2つ。
マスクに使用する場合も含めれば『頂点グループ』3つ。
※一応『頂点グループ』1つでも可能。
[頂点ウェイト近傍] 『頂点グループ』に、
プラスで他の『オブジェクト』の”距離”という素材を加え、
『モディファイアー』でそれらの情報を使って編集する。
『頂点グループ』の局所的な編集、
またはウェイトの強さを集中させた編集を行いたい場合にオススメ。
基本的には『頂点グループ』1つと『オブジェクト』1つ。
マスクに使用する場合も含めれば『頂点グループ』2つと『オブジェクト』1つ。

また、使い分けとは違いますが、

『頂点ウェイト編集モディファイアー』で編集した『頂点グループ』に、更に『頂点ウェイト合成モディファイアー』『頂点ウェイト近傍モディファイアー』を使って編集を加える

という合わせ技も有りだと思います。

是非とも上手く使い分けて、モデリングの効率化にお役立てください。

『頂点グループ』を使う『モディファイアー』

全てではないですが、一部の『モディファイアー』では、『頂点グループ』を使用する機能を持つものもあります。

大抵は、『モディファイアー』でメッシュを変形・生成する部分を限定し、また、その影響を『ウェイト』値で制御するために使います。

『ソリッド化モディファイアー』を使った厚み付けの部分的な制御

一部ですが、『頂点グループ』を使用する機能を持つ『モディファイアー』の中で既に記事として取り上げたものを一覧で貼っておきますので、よろしければ各記事をご覧ください。

『パーティクル』と『頂点グループ』

『パーティクル』単体について、詳しくは下記記事をご覧ください。

例えば、→の画像のような木(に見えなくても木です)があったとします。

何もなくて寂しいので葉っぱのような(花びらのような)オブジェクトを、5枚分円形状に並べたものを用意します。

[プロパティエディター]>[パーティクル]という所で、『パーティクル設定』が出来ます。今回は、[ヘアー]の『パーティクル』を使います。

そしてこの時、『頂点グループ』を使用せずに『パーティクル設定』をすると、根元の部分までぎっしり葉っぱのような(花びら以下略で覆われてしまいます。

そこで、『頂点グループ』を作成して、葉っぱ(略を付けたい部分には、『ウェイト』”1.0″を割り当てます。

葉()を付けたい部分を設定した『頂点グループ』を、[プロパティエディター]>[パーティクル]>[パーティクル設定]>[頂点グループ]>[密度]の項目に名前を入力します↓

すると今度は、葉用の『頂点グループ』で設定した『ウェイト』の値通り、根元部分は葉が生えないように設定できました↓

『物理演算』と『頂点グループ』

例として、今回は[クロス]という『物理演算』を使用してみます。

ちなみに、[クロス]という『物理演算』について、詳しくは下記記事をご覧ください。

例えば、下の画像のようなマネキン(モドキ)のオブジェクトと、『物理演算』の[クロス]を設定した赤いスカートのオブジェクトを用意します。

かなり余裕を持たせてスカートを履かせているのもあり、『頂点グループ』を設定していない場合、ご覧の通り、スカートがそのまま下まで落ちてしまいます。

一部分だけ固定するための『頂点グループ』を新規作成し(名前を[cloth_fixed]に設定)、固定したい部分に『ウェイト』値”1.0″を割り当て、更に『ウェイト』を割り当てていない部分との間に1列分だけ”0.8″を割り当てます。(緑の部分です)

作成した『頂点グループ』を[プロパティエディター]>[物理演算]>[クロス]>[シェイプ]>[固定グループ]に入力します。

今度は下まで落ちずにマネキンにちゃんと着せられました。

参考にさせていただいたサイト・ページ一覧

Blenderに関する記事や作品をまとめたページ作りました!

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