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[Blender 2.8] 平面から簡単に立体オブジェクトへ[ソリッド化モディファイアー]

Blender ソリッド化 モディファイアー 厚み付け 星 クリスマス マテリアルインデックスオフセット

[Blender 2.8] 平面オブジェクトから簡単に立体化するのに便利な、ソリッド化モディファイアーの機能と使い方のご紹介

今回の記事は『ソリッド化モディファイアー』について取り上げさせていただきたいと思います。

このモディファイアーは、2.7xのバージョンでは[厚み付けモディファイアー]という名称でした。その名の通り、「平面オブジェクトから立方体オブジェクトを作る」ような、まさに“厚み付け”が出来る便利なモディファイアーとなっております。

板ポリゴンで作った髪だと、ペラッペラな状態ですが、それに厚み付けを行って手早くボリュームを出すことが出来ます。

例えば、埋め込んだツイートの作品では、髪を『UV球』から作っているのですが、辺を切り離し([V])したり変形させたりしたものを仕上げに『ソリッド化モディファイアー』で厚み付けしたものになっています。

また、応用編として、『頂点グループ』を作成して、そのウェイトペインティングによって厚みの差を出した厚み付けで、武器の刃のような部分を手早く作るようなことにも使えます。

※2019年12月15日 加筆修正を行いました。
※2020年1月30日 加筆修正を行いました。
※2020年2月15日 加筆修正を行いました。
※2020年2月16日 加筆修正を行いました。

目次

まず最初に

『ソリッド化モディファイアー』を追加したいオブジェクトを選択しておき、[プロパティエディタ]>[モディファイアー]>[モディファイアーを追加]で表示される一覧から、[ソリッド化]を選びます。

時期も時期(クリスマス)なので、季節感に合わせたメッシュオブジェクトを主として使わせていただこうかと思います。

[ソリッド化]の詳細設定項目一覧

[幅(Thickness)]

数値によって、新しく生成されるメッシュの幅が決まります。

[オフセット]の値によってこの、[幅]の値の方向性が変わります。

[幅]

[オフセット(Offset)]

厚みの幅を付け加える倍率を指定します。

元々のメッシュの位置を基準に、”-(マイナス)”で内側(面で言うと裏側)に厚みが付き、”+(プラス)”で外側(面で言うと表側)に厚みが付きます。

“0”では、元々のメッシュを基準位置とし、[幅]で設定した値の二等分した厚みが、双方向につきます。

[オフセット: -1]
[オフセット: 0]
[オフセット: 1]

Memo:[幅]の0以下の値による厚みが付く側の反転

当たり前ではありますが、[幅]の値が”-(マイナス)”である場合、オフセットで設定した値の反対側に厚みが付きますので、ご注意ください。

[幅: -1]、[オフセット: 1]

[範囲制限(Clamp)]

この項目の変化を見るために、『立方体』から、頂点を3か所消したメッシュオブジェクトを用意します。

例えば、こういった形状のメッシュオブジェクトの幅を際限なく伸ばして行ってしまえば、メッシュの衝突が起こり、メッシュがグシャグシャになってしまいます。

そういった事を回避するために、この[範囲制限]では、0~2の値を指定し、その形状の大きさに見合った程度の形に抑えてくれます。

ぐしゃぐしゃに重複した部分のあるメッシュの、[範囲制限]を使用した場合の状態の変化

[頂点グループ(Vertex Group)]

この項目に設定するための『頂点グループ』を用意し、『ウェイトペイント』で各頂点のウェイトを設定します。今回の『星』オブジェクトは、真ん中の頂点だけ”1″、それ以外は”0″に設定しました。

作成した『頂点グループ』の名前をこの項目に入力して、『ソリッド化モディファイアー』に関連付けます。

ちなみに、『頂点グループ』及び『ウェイトペイント』に関しまして、↓の記事について詳しく書かせていただいております。

おまけ: 『刀』モデル作成中の様子とウェイトペイントを公開

『シャープ※』の水色の線が気になるかもしれませんが、平面状態の『刀』の構造です。

『ウェイトペイント』で厚み付けの目安とするウェイトに塗ったものになります。

薄くしたり鋭く尖らせたい部分は”0″(青色)。厚みを持たせたい部分には”1″(赤色)に着色されています。

ちなみに、完全に”0″にする部分がある場合は、一見薄くて頂点が1つしかなさそうに見えても実際は頂点が2つ重なっている状態だという事にご注意下さい。

その場合、『ソリッド化モディファイアー』適用後に、該当箇所の2つ重なっている頂点をマージ([Alt]+[M]>[距離で])するなどで頂点数を減らしておきましょう。

※『シャープ』 …『スムーズシェーディング』でぼやけてしまう線を、部分的にはっきりと表示させたい辺に付ける目印。

『シャープ』に関しましては、以前別の記事で詳しく書かせていただきました。機能や使い方と共にご説明させていただいておりますので、もしご興味湧かれましたら、↓の記事も是非ご覧ください。

[係数(Factor)]

[頂点グループ]に設定した頂点グループの強調度合いを0~1の値で指定します。

[係数]を変化させたときの厚み付け変化

[反転(Invert)]

[頂点グループ]設定欄の右側にある[↔]のボタンです。

このボタンを押すと、頂点の強調する度合いを反転させることが出来ます。

[反転]

[クリース(Crease)]

面の区切れ目の辺に指定した強さのクリースを付けます。

[内側]、[外側]、[ふち]それぞれの場所に、それぞれで付けたいクリースの強さを決められます。

3項目の場所を元のメッシュを基準にして、別の言い方で説明しますと、

  • [内側] …元のメッシュの面で言うと裏側の面。
  • [外側] …元のメッシュの面で言うと表側の面。
  • [ふち] …内側と外側を繋ぐ辺。

となります。

『クリース』に関しましては、以前、別の記事で詳しく書かせていただきましたので、よくご存じない方は、よろしければこちらの記事をご覧ください。

[内側(Inner)]

元のメッシュの面で言うと裏側の面につけるクリースの強さを指定します。

[ソリッド化]モディファイアー適用前 [内側: 1.000]
[ソリッド化]モディファイアー適用後 [内側: 1.000]

[外側(Outer)]

元のメッシュの面で言うと表側の面につけるクリースの強さを指定します。

[ソリッド化]モディファイアー適用前 [外側: 1.000]
[ソリッド化]モディファイアー適用後 [外側: 1.000]

[ふち(Rim)]

内側と外側を繋ぐ辺につけるクリースの強さを指定します。

[ソリッド化]モディファイアー適用前 [ふち: 1.000]
[ソリッド化]モディファイアー適用後 [ふち: 1.000]

[法線を反転(Flip Normals)]

この項目にチェックを入れると、生成されるメッシュの法線を反転させます。

画像は、[ビューポートオーバーレイ]で、[面の向き]の項目にチェックを入れて、面の向きを視覚化した状態です。(※青=表、赤=裏)

[面の向き] on
[面の向き] off

厚みの均一化

この2つの項目は、どちらも厚みの均一化を図るものです。

※ただし、処理が重くなるので、必要ない時はチェックを外すことが推奨されています。

[均一な厚さ(Even Thickness)]

鋭い角度を調整し、厚さを全体的に均一にします。

[均一な厚さ] on
[均一な厚さ] off

[高品質な法線(High Quality Normals)]

複雑な形状のメッシュオブジェクトで、[均一な厚さ]を使った後、更に高品質な法線の計算も加味した、均一な厚さにしたい時に使うようです。

この項目の動作確認用に、ある程度の頂点数を有し、ある程度単調でない形状を有する、↓のような花びらのオブジェクトを使用します。

  • 前(フロント)から
  • 右(ライト)から
  • 上(トップ)から

更に、[3Dビューポート]の右上にある、[オーバーレイを表示]の右側のプルダウンメニューから、[Normals]にある項目全てを表示させるように設定します。

これで、[頂点]、[辺]、[面]それぞれの法線の向きが視覚化された線が表示されます。

一応、微々たるものですが、ほんの少し法線の方向が修正されているのがGIFから確認できますでしょうか?

[均一な厚さ]、[高品質な法線]による法線の変化

[ふちをフィル(Fill Rim)]

『内側』と『外側』の間にできる部分のメッシュを作成します。

この項目をチェックすると、[ふちのみ]も選択可能になります。

ちなみに、「フィル(fill)」は「埋める」という意味です。

fill …

いっぱいにする、満たす、(…で)満たす、いっぱいにしてやる、入れる、詰める、うずめる、占める、充満する、満ちあふれる

引用元:英語「fill」の意味・使い方・読み方|Weblio英和辞書
[ふちをフィル] on
[ふちをフィル] off

[ふちのみ(Only Rim)]

この項目にチェックを入れると、『内側』(元のメッシュで言うと裏側の面)のメッシュが作成されなくなります。

この項目は、[ふちをフィル]という項目にチェックをいれた場合のみ、設定可能になります。

  • 『外側』(元のメッシュで言う表)からの視点
  • 『内側』(元のメッシュで言う裏)からの視点

[マテリアルインデックスオフセット(Material Index Offset)]

この項目、実はもう既に使っております

どうしても、今までのサンプルで使用していた『星』オブジェクトの”ふち”と”それ以外”の場所の区別がつきにくかったので、先に使ってしまっていました。

この項目の変化を試すには、対象のオブジェクトに関連付けられている『マテリアル』が最低でも2つ必要です。

この項目の数値で割り当てられている『マテリアル』からズラしたマテリアルに表示を切り替えることが出来ます

『”0″』であれば本来の『マテリアル』通りの表示に。『+(プラス)』の数値にすればその分インデックスで下にある『マテリアル』に切り替わり、『-(マイナス)』の数値にすればインデックスで上にある『マテリアル』に切り替わります。

[ふち(Rim)]

今回の『ソリッド化モディファイアー』には、[マテリアルインデックスオフセット]の入力項が2つありまず。

左側の欄が[内側(元のメッシュの裏側の面)]、右側の欄が[ふち]となっております。

鏡のようにツヤツヤする“gold”と、粗さを最大まで設定した“roughness”と名付けた2種類のマテリアルを作成ました。

[マテリアルインデックスオフセット:]の値を、[内側: 0]、[ふち:1]に設定しています。

この[マテリアルインデックスオフセット: ]という項目は、 以前紹介させていただいた『ワイヤーフレームモディファイアー』にもあります。こちらは、[マテリアルインデックスオフセット: ]は、2項目に分かれておらず、1つだけしか値を入力する場所がありません。参考までに過去の記事をご紹介させていただきます。

おまけ:複数のマテリアルを割り当てた場合の[マテリアルインデックスオフセット]による変化

『ソリッド化モディファイアー』を追加した『花びら』のメッシュオブジェクトに、マテリアルを複数割り当てます。

マテリアルのインデックスの並びは上から順に、“white”、”green”、”magenta”、”orange”という並びで設定しておきます。

  • [内側: 0](オリジナル)
    ※上(トップ)からの視点([ふち]の変化確認用)
  • [ふち: 0](オリジナル)
    下(ボトム)からの視点([内側]の変化確認用)

『マテリアル』の設定が終わったら、『ソリッド化モディファイアー』の[マテリアルインデックスオフセット]の値を動かして変化を見てみます。

[内側](左側の入力)の変化
[内側: -3]
[内側: -2]
[内側: -1]
[内側: 1]
[内側: 2]
[内側: 3]
[ふち](右側の入力)の変化
[ふち: -3]
[ふち: -2]
[ふち: -1]
[ふち: 1]
[ふち: 2]
[ふち: 3]

参考にさせていただいたサイト・ページ一覧

Blender関連の資料:

刀モデルの制作に関する資料:

https://www.youtube.com/watch?v=Wa6l6bGoy6Q

モディファイアー関連の記事のご紹介

この記事の他にも、Blenderの様々なモディファイアーについて、機能や使い方を私自身も試しながらではありますが、ご紹介させていただいております。よろしければ、こちらも併せてご覧ください。

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