[Blender 2.8]クリース、シーム、シャープの違い

今回の記事は、[辺]に付ける目印という共通点がある3つの機能である、『クリース』、『シーム』、『シャープ』についてです。

Blenderを知り尽くしている方には今更な内容かとも思われますが、自分の中での確認と整理を兼ね、備忘録としてもまとめておきたいと思います。

※2020年1月12日 加筆修正と、記事の一部を別ページへ移動しました。

目次

• クリースとは？
  • クリースの付け方
  • クリースを付けた効果
• シームとは？
  • シームの付け方
  • シームを付けた効果
    • ちなみに、シーム付け”しなかった”場合のUV展開
• シャープとは？
  • シャープの付け方
  • シャープを付けた効果
• まとめ

クリースとは？

『細分化』モディファイアーなどでオブジェクトを滑らかに変形させたい時に、「この辺の形状はある程度そのまま残しておきたい」、という場合の目印になります。

言葉の通り、折れ目という訳です。

クリースの付け方

クリースを付けた効果

全体的に形状をモディファイアーなどで変更する際に、特定の辺だけは形状を維持させておきたい場合には、この『クリース』を使うのがオススメです。

次のメッシュの細分化に使用する『サブディビジョンサーフェスモディファイアー』の記事中で、クリースを付けた辺と、それ以外の辺の細分化による変化の違いを詳しく説明しております。よろしければ、併せてご覧ください。

[Blender 2.8] ローポリゴン→ハイポリゴンへ　[サブディビジョンサーフェスモディファイアー]

シームとは？

メッシュオブジェクトにテクスチャを適用する際、UV展開をします。 そのUV展開する際の『切れ込みの目印』となるのが、このシームです。

『UV展開』とは、ざっくり説明しますと、「3次元のオブジェクトを、2次元にするために切り開いて展開する」というものになります。

一度UV展開で切り開いたものをその後にまた、再度3Dオブジェクトに直すために縫い合わせているのだとすれば文字通り、縫合線となる訳ですね。(この理論は無理やりすぎですかね？)

シームの付け方

1. シームをつけたい辺を選択します。
2. 『辺メニュー([Ctrl]+[E])』>[シームをマーク]を選びます。
3. 赤色が選択した辺に着いていれば完了です。

シームを付けた効果

ちなみに、シーム付け”しなかった”場合のUV展開

単純な形のオブジェクトをUV展開する場合には、シーム付けでUV展開することをオススメします。

この牛乳パックのメイキングを、モデリング超初心者さん向けとして記事として書いております。もしよろしければこちらも併せてご覧ください。※本当に超初心者さん向けの内容なので、ある程度Blender触れる方にはつまらない内容かもしれません汗

[Blender 2.8] 牛乳パックメイキング [モデリング初心者向け]

シャープとは？

メッシュの主なシェーディングの方法には『スムーズシェーディング』、『フラットシェーディング』の2種類あります。その2つのシェーディングを同時に使い、特に「線を強調したい辺の目印」としてこの『シャープ』を使用します。

文字通り、はっきりした辺とするための目印というわけです。

シャープの付け方

シャープを付けた効果

シャープを付けた効果を見るためには2つやることがあります。

• メッシュオブジェクトのシェーディングを『スムーズシェーディング』に変更する。
• 『自動スムーズ』の設定をする。

スムーズシェーディングのやり方は、[オブジェクトモード]で、対象のメッシュオブジェクトを選択時、オブジェクトコンテクストメニュー([右クリック])>[スムーズシェーディング]で、変更できます。

さて、もう一方の『自動スムーズ』の設定ですが、

特に強調したい辺や、『スムーズシェーディング』だとぼやけて線が良くわからなくなってしまう辺など、『自動スムーズ』と『シャープな辺』を使うとそこだけ強調出来、線がくっきりするのでオススメです。

ちなみに、↓の『辺分離モディファイアー』では、分離する辺の指定を『シャープ付け』でする使い方もあります。特殊な使い方として参考になるかと思いますので、よろしければ併せてご覧ください。

[Blender 2.8] まとめて狙った辺を切り離し[辺分離モディファイアー]

まとめ

種類	言葉の意味	影響を与える物・事	詳しい用途
クリース(crease)	折り目、畳み目	メッシュ全体を変形する時の形状維持	メッシュ全体で均一に滑らかにする等の時に、 形状をある程度そのまま残して変形を適用したい場合に使用します。
シーム(seam)	縫い目、継ぎ目	UVマップ展開時の切れ込み線	複雑な形状のメッシュを、 UV展開する時に切り開く辺につけます。
シャープ(sharp)	鋭い、はっきりした	3Dビューポートでの表示の強調	メッシュをスムーズシェードで表示する際に、 一部だけ鋭角にしてメリハリ付けて表示したい場合、 その強調させたい辺につけます。

Blenderに関する記事や作品をまとめたページ作りました！

Blender Note

参考にさせていただいたサイト・ページ一覧

• シェーディングとは – IT用語辞典 e-Words
• かんたんBlender講座
• 【Blender】細分割曲面モディファイアー
• サブディビジョンサーフェス
• creaseの意味・使い方・読み方|Weblio英和辞書
• seamの意味・使い方・読み方|Weblio英和辞書
• sharpとは 意味・読み方・表現|Weblio英和辞書