[Blender 2.9] メッシュオブジェクトをボリュームオブジェクト化するのに便利な、メッシュのボリューム化モディファイアーの機能と使い方のご紹介
今回の記事は、Blenderの『メッシュのボリューム化モディファイアー』についてです。
『メッシュのボリューム化モディファイアー』は、メッシュを使用して新しいボリュームグリッドを作成します。
ボリュームオブジェクト上の既存のボリュームグリッドはすべて破棄されます。したがって、このモディファイアーは、通常、エンプティのボリュームオブジェクトに追加されます。新しいボリュームグリッドは「密度(density)」と呼ばれます。
ちなみに、今回の「メッシュ→ボリューム」の逆の、「ボリューム→メッシュ」という機能を持つ『ボリュームのメッシュ化モディファイアー』というものもあります。詳しくは下記記事をご覧ください。
目次
まず最初に
『メッシュのボリューム化モディファイアー』を追加したいボリュームオブジェクトを選択しておき、[プロパティエディタ]>[モディファイアー]>[モディファイアーを追加]ボタンをクリックすると表示される一覧から、[メッシュのボリューム化]という項目を選びます。
追加されると↓のように表示されます。
基本的な使い方
このモディファイアーは、私がご紹介するモディファイアーには珍しく、『ボリューム』オブジェクトから使用します。
- [追加]>[ボリューム]>[エンプティ]を選択して、ボリュームオブジェクトを3Dビューポート上に追加します。
- [追加]>[メッシュ]>[モンキー]を選択して、モンキーメッシュオブジェクトを3Dビューポート上に追加します。
- ボリュームオブジェクトを選択し、[プロパティエディター]>[モディファイアープロパティ]>[モディファイアーを追加]から、[メッシュのボリューム化]を選択します。
- [オブジェクト]にメッシュオブジェクト名を設定すると、メッシュオブジェクトの位置にメッシュオブジェクトの形状でボリュームのグリッドが作成されます。
memo: 『メッシュのボリューム化モディファイアー』を使用したボリュームオブジェクトを移動するには?
『メッシュのボリューム化モディファイアー』を使用した場合、そのボリュームオブジェクトは、元のメッシュオブジェクトの位置に生成されます。つまり、逆に言えば、通常はメッシュオブジェクトの位置から動かせません。
ただし、生成されたボリュームオブジェクトをメッシュオブジェクトとは別の『コレクション』に移動し、『コレクションインスタンス』を使用してコピーすると移動できます。
[メッシュのボリューム化]の詳細設定項目一覧
- [オブジェクト(Object)]
- [密度(Density)]
- [ボリュームをフィル(Fill Volume)]
- [外部の幅(Exterior Band Width)]
- [内部の幅(Interior Band Width)]
- [解像度モード(Resolution Mode)]
[オブジェクト(Object)]
ボリュームデータが生成される場所を決定するメッシュオブジェクト。
[密度(Density)]
レンダリング時に、生成されたボリュームの密度を高くしたり低くしたりします。
[ボリュームをフィル(Fill Volume)]
囲まれたボリューム全体、または表面に近いボクセルのみが、”0″より大きい密度になります。この設定は、メッシュオブジェクトが多様体の場合にのみ使用されます。
[外部の幅(Exterior Band Width)]
含まれているボクセルからメッシュの外側のサーフェスまでの最大距離。
[内部の幅(Interior Band Width)]
[ボリュームをフィル]が無効になっている場合にのみ操作可能な項目です。
含まれているボクセルからメッシュの内側のサーフェスまでの最大距離。
[ボリュームをフィル]を有効にした場合、[内部の幅]を大きな数値に増やした状態に似た状態になります。
[解像度モード(Resolution Mode)]
ボクセルサイズの指定方法のモード。
[ボクセル量(Voxel Amount)]
1つの軸に対する目標のボクセル数、対角線に沿ってメッシュを表すために使用されるボクセルのおおよその数を設定出来ます。
メッシュの寸法が変わると、ボクセルのサイズも変わります。アニメーションの最終レンダリングでは、アーティファクト(乱れ)を回避するためには[ボクセルサイズ]を明示的に指定することをお勧めします。
[ボクセル量(Voxel Amount)]
1つの軸に対するボクセル数の概算。
[ボクセルサイズ(Voxel Size)]
目標のボクセルの辺長、使用する正確なボクセルサイズを設定できます。
ボクセルサイズがフレーム間で変化してはならない場合にレンダリングするためのモードです。
[ボクセルサイズ(Voxel Size)]
小さな値で出力が高解像度になります。
memo: [ボクセル量]と[ボクセルサイズ]の違いについて
前述の通り、[ボクセル量]では、メッシュの寸法が変わると、ボクセルのサイズも変わるため、アニメーションの最終レンダリングでは、アーティファクト(乱れ)を回避するためには[ボクセルサイズ]を明示的に指定することをお勧めします。
実際にメッシュのスケールを変化させるアニメーションさせてみると、下記のような違いがあります。
おまけ: 作ってみたもの
- まずは適当にメッシュオブジェクトで神殿っぽい形を作ります。
- 3Dカーソルを、神殿っぽいメッシュオブジェクトの中心に移動させます。[編集モード]で全選択([A])して、[Shift]+[S]>[カーソル→選択物]という方法が良いのではないかと思います。
- エンプティのボリュームオブジェクトを追加します。
- ボリュームオブジェクトに『メッシュのボリューム化モディファイアー』を追加し、[オブジェクト]に神殿っぽいメッシュオブジェクトを設定しますと、神殿っぽいボリュームオブジェクトが出来ます。
- ボリュームオブジェクトにマテリアルを設定します。
- ボリュームオブジェクトを囲うように、立方体メッシュを追加、変形させます。
- 立方体メッシュに『ベベルモディファイアー』で少し角をとります。
ちなみに、バージョン2.8なのですが『ベベルモディファイアー』について執筆しました記事がありますので、詳しく知りたい方はよろしければ下記記事をご覧ください。
- 立方体メッシュに更に『配列モディファイアー』を追加し、[オフセット(倍率)]で、X軸の-1と1の方向に1つずつ、Z軸の-1と1の方向に1つずつ、Y軸の1の方向に1つ、複製します。
ちなみに、バージョン2.8なのですが『配列モディファイアー』についても執筆しました記事がありますので、詳しく知りたい方はよろしければ下記記事をご覧ください。
- 立方体メッシュにマテリアルを設定します。
- カメラを神殿っぽいオブジェクトの真正面に動かします。
- カメラの[プロパティエディター]>[オブジェクトデータプロパティ]>[焦点距離]を”15mm”に設定します。
- [プロパティエディター]>[レンダープロパティ]>[レンダーエンジン]を[Cycles]に変更して、レンダリングします。
- 仕上げに[コンポジター]でノードを以下の様に組みます。
- 完成です。
参考にさせて頂いたサイト・ページ一覧
モデル作成資料一覧
モディファイアー関連の記事のご紹介
この記事の他にも、Blenderの様々なモディファイアーについて、機能や使い方を私自身も試しながらではありますが、ご紹介させていただいております。よろしければ、こちらも併せてご覧ください。
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